今日から3月(第55日目)2011/03/01 19:14

今日は3月1日。

先月(2月)は1ヶ月丸まる旅先で過ごしたことになり、これは私の人生で初めての経験である。

長いと思っていた旅の行程もいよいよ残り10日を切ってしまった。(帰国は3月9日)
このブログでもそろそろ旅を振り返っていこうと思う。

旅とインターネット(第55日目)2011/03/01 21:45

旅先では携帯電話の電源を切りテレビもパソコンも見ず、俗世間の慌しさから解放されたいと思う人も多いだろう。
基本的には私もそういうタイプだが、海外旅行、特にキャンプ場を渡り歩くような場合は、インターネットはとてもありがたいツールである。

例えば天気。明日の行動を決めるために天気予報を知りたいときにインターネットですぐに確認できる。
そして宿の予約。旅行シーズンであれば部屋の空きがあるかは当然確認したい。これもインターネットがあれば便利である。
それに滞在先の周辺にゴルフ場があるのか、またどのようなツアーがあるのか、全てインターネットで解決してしまう。

もちろんキャンプ場のレセプションで聞いたっていいのだが、言葉の問題もあるし、少々面倒くさい。
現代において旅にインターネットは必需品となっているように思う。

では、ニュージーランドのインターネット事情はどうだろうか。
私の場合、ニュージーランドのキャンプ場ばかり泊まり歩いているので、他の宿泊施設のことはあまりよくわからないが、キャンプ場の設備についてはだいたい感じがわかってきた。

それなりに設備の整った多くのキャンプ場は、まずインターネット・キオスクというのがあり、レセプションの脇やキッチンの中、あるいは独立した部屋にパソコンが2~3台置いてある。だいたい1ドル10分くらいが相場である。
無線LAN(WiFi)を備えたキャンプ場も多く、自分の車や部屋の中でもOKなので、私は専らこちらを利用している。ただ、通信速度が遅くなかなかつながらないことも多くまだまだネット環境は不十分と感じる。

もう通信速度の遅さには慣れてしまった。さくさくと繫がる日本のネット生活がやけに昔のことのように感じられる。

カリカリはよいところ(第56日目)2011/03/02 23:24

今日は移動日。

4泊したキャンプ場(カリカリ半島のWhatuwhiwhi Top10 Holiday Park)を離れ、南下して東海岸のラッセルという町にやってきた。(3泊の予定)

カリカリ半島を離れるかどうかはけっこう悩んだ。
とても居心地がよい素晴らしいキャンプ場でここにもうしばらく滞在したいという気持ちが強かったのだ。これほどに自然に恵まれ、かつ設備も整ったキャンプ場はなかなか無いのだ。
一方、せっかくノースランドに来てここだけに滞在するというのもまたもったいないという気持ちもあった。

結局は後者の思いに従い、カリカリ半島を離れることにした。
いつの日かもっとのんびりと過ごしたい場所である。

ああ、あれがあったら(第56日目)2011/03/02 23:28

ラッセルのキャンプ場(Russell Top10 Holiday Park)ではまた部屋に泊まることにした。
キッチン・シャワー・トイレが付き、寝室がリビングとは独立した居心地のよい部屋である。

最近はキャンプ場でも部屋ばかりに泊まり楽をしているのだが、いつも残念に感じることがある。
日本人とニュージーランド人の感覚の違いに起因することだと思うが、日本人としては非常にもったいないと感じるのだ。

それは何かというと、ドアや窓に網戸が付いていないのである。
キャンプ場はどこも自然にあふれた所にあるので当然ながら虫がいっぱいいる。(蝿、蚊等々)
昼間はさほどでもないが夜になると虫(特に蚊)がいっぱい出てきて、部屋の中に入ってくるのである。
つい数日前は夕方部屋の窓を開けて釣りに行ってしまったので、9時近くに帰ってきたら蚊が20匹くらい部屋の中に入り込んでいた。
当然ながら蚊は人を刺すので退治することになる。

そんなに安い部屋に泊まっているわけでもない。
一昨日のカリカリ半島のキャンプ場(Whatuwhiwhi Top10 Holiday Park)の部屋は Deluxe Spa Motel で寝室は2つあり、風呂も付いている。キッチンにオーブンもあれば、洗濯機・乾燥機も備わっている。海が一望できる眺望で「新婚旅行にどうぞ」などと宣伝している。
私がこれまでのいろいろな旅行で泊まった中でひょっとしたらNO.1の部屋なのだ。だが、しかし、どうしてだか、"網戸"が付いていないのである。
窓を開け放すと風が通ってとても気持ちがよいのだが、夜になると虫の襲撃を恐れ閉め切ることになる。
ああ、本当にもったいない。

この旅を通じ、ずっと残念に思っていたのは、この網戸問題である。

何故ニュージーランド人(そして多くの欧米人旅行者)はこれを不満に思わないのだろうかと不思議である。
虫(蚊)に刺されないのか、あるいは刺されてもかゆさを感じないのか。

キャンプ場のキャンプサイトでも、欧米人たちは夜になっても暗がりの中にテーブルを出し、会話を楽しみ、食事をし、酒を飲んでいる。
私たち日本人は虫(に刺されるの)を恐れ車の中に引っ込んでしまう。

なぜ欧米人は虫に強いのか、うーん、謎である。

スーパーマーケット(第56日目)2011/03/02 23:56

車上であれ部屋であれ、この旅ではほとんどキャンプ場で過ごしてきた。
キャンプ場での食事は当然自炊となる。
面倒くさくなると車で持ち帰り(Takeaway)のフィッシュ・アンド・チップス、ピザ、チャーハン等で済ませてしまうが、多くは自炊をしていた。

そのために食材を調達するわけで、頻繁にスーパーマーケットで買い物をすることになる。
私は以前から旅行をすると現地のスーパーマーケットの店内をぶらぶらと見て回るのが好きだった。何故かというと、スーパーマーケットには
現地の文化や生活感があふれているのでとても面白いのだ。
今回は現地のスーパーマーケットについて気が付いたことを書いてみよう。

よく見かけるスーパーマーケットは、カウントダウン、パックンセイブ、ニューワールド、ウールワース、フォースクエア。それぞれにそれなりの特色があるようだ。
パックンセイブ:価格破壊店 フォースクエア:小さな町に展開する小さなスーパー 等々

日本のスーパーマーケットとの違いを挙げてみよう。

(1)営業時間
けっこう早朝から開店している店が多い。朝7時から開店している店も珍しくはない。日本でも都会では24時間店もあるし早朝開店も多少ながらあるようだが、妻に言わせると日本はまだまだのようだ。

(2)量り売り
日本で量り売りというと肉くらいしか頭に浮かばないが、こちらの量り売りは充実している。
野菜はほとんどが量り売りしているので、ニンジン1ヶでもタマネギ1ヶでもOKだ。日本も1ヶ○○円で売ってはいるが、こちらはきちんとレジで目方を量って計算するので、少量だから割高ということはない。
野菜のほかにはお菓子の量り売りが楽しい。ナッツやプレッツェル、キャンディなどを好きな量だけ買うことができる。おかきのようなものもあったりする。パックンセイブのお菓子量り売りは充実していて、2~30種類のお菓子を揃えている。
量り売りは欧米(ヨーロッパ、アメリカ、カナダ等)では当たり前のようで、旅行者としては試しに少量買うことができて非常にありがたい。
日本のスーパーマーケットが量り売りをしないのは何故だろうか。店側が効率を優先しているのだろうか、それとも消費者側がせっかちで好まないのだろうか。

(3)品揃え
その土地でよく食される品目は当然ながら品揃えが豊富で多くのスペースを使っている。
目に付くのは、チーズ、ハム、パン、ワイン、ビール。そしてポテトチップである。
一方、魚売り場は肩身が狭い。ほんの数種類の魚の切り身しか置いていないスーパーマーケットが多い。(パックンセイブは比較的多くの魚を置いている。)
日本関連の品揃えも最近は増えているようだ。醤油等の調味料、カレー、ラーメン、豆腐等々。小さな町にもハウスバーモンドカレーが置いてあって意外に感じることがあった。しかし、誰が買うのかは謎である。
あと品揃えで感じるのは惣菜部門の品目が少ないこと。置いてあるのはチキンの丸焼き、サラダ(量り売り)程度でサンドイッチを置いてあるスーパーマーケットがたまにあるくらいだ。消費者が必要としないから置いていないのだとは思う。調理が簡単(肉を焼いてサラダをそえる程度)だからなのだろうか?それともニュージーランドの主婦(主夫)は調理が大好きなのだろうか?

スーパーマーケットは暇つぶしに最適な場所なのであった。

ワイルドな人々(第57日目)2011/03/03 22:09

今日は、いや今日も海で遊んだり釣りをしたりとのんびりとしていた。

旅を振り返ると印象に残るのはニュージーランドの人々のワイルドというか、アクティブな行動ぶりである。

思いつくままに挙げてみよう。
・キャンプ場では男性はすぐに上半身裸になるし、女性もバスローブだけで闊歩している。
・キャンプ場では虫がいようといまいと夜遅くまで屋外(車外)で過ごしている。
・町では男女を問わず裸足の人が珍しくない。
・公園にはトランポリンやアスレチックが当たり前のように置いていある。
・海や川では子供たちが飛び込みをする姿がよく見られる。
・普通の兄ちゃん、姉ちゃん、おじさん、おばさんが当たり前のように入れ墨(TATOO)をしている。
・ボートを引っ張って走る車が珍しくない。
・水上スキーやパラセイリングが珍しくない。

ネットで調べてわかったが、バンジージャンプを初めて商業的に(つまり客からお金をとって)始めたのはニュージーランドだという。
彼らの行動ぶりを見て納得である。

そうした彼らの行動ぶりはやはり豊富な自然と表裏一体のものなのだと思う。
オークランドという大都会からでも車を30分か1時間も走らせればもう大自然である。彼らにとっては自然が身近というか日常なのではあるまいか。当然自然とたわむれる遊び(トレッキング、ボート、カヌー、釣り等々)をしたくなる。

さらに感銘を受けるのは、年を取っても彼らはワイルド(アクティブ)であり続けている。
2月以降は夏休みも終わってキャンプ場に子供は少ないが、代わりに年配の人たち(老人)がキャンプ場を占拠している。
キャンプ場のトイレでパンツ一丁で髭を剃っている老人の姿を見飽きるくらい見たし、浜辺で大きなラジコン飛行機を操縦する老人、
海にモーターボートで繰り出す老人、美味しそうにアイスクリームを頬張る老人等々。

いつまでも子供のような老人、魅力的である。

ワイルドな人々(その2)(第58日目)2011/03/04 18:03

前日のブログで、ニュージーランド人のワイルドさについて以下のように書いた。

「そうした彼らの行動ぶりはやはり豊富な自然と表裏一体のものなのだと思う。
オークランドという大都会からでも車を30分か1時間も走らせればもう大自然である。彼らにとっては自然が身近というか日常なのではあるまいか。当然自然とたわむれる遊び(トレッキング、ボート、カヌー、釣り等々)をしたくなる。」

しかし、本当にそうなのだろうかと思い始めた。
ニュージーランド人を含めた欧米人のあのアウトドア志向にはもっと深い原因があるのではないだろうか。

アウトドアというと日本では屋外で活発に活動をするようなイメージだが、彼らのアウトドアは文字通り「屋外にいる」だけのようにも見える。
トレッキング、ボート、カヌー等で体を活発に動かす以前にともかくも屋外にいることが大好きのようなのだ。
その証拠に年を取って体をあまり動かせないとしても屋外で会話をしたり食事をしたりしている。
日本だって田舎にはいくらでも自然はあふれているが、そこに暮らす人々はここまでアウトドア(屋外)好きではないような気がする。

では、欧米人と日本人の違いはどこから生まれてくるのだろうか。

単純ではあるが民族性の違いなのではあるまいか。
具体的にいうと「狩猟民族」と「農耕民族」の違いである。
欧米人の遺伝子には太古の狩猟時代の記憶が刷り込まれていて、理屈抜きで屋外にいることが快感なのではなかろうか。
そう考えると欧米人のバーベキュー好きにも納得がいく。彼らはバーベキューをすることにより狩猟で得た獲物を炙り焼いたあの太古の記憶を呼び覚ましているのだ。(本当か?)

なんてどうでもよいことを考えて釣りをしていた。

たこ、たこ、あれれ(第58日目)2011/03/04 20:02

ラッセルは小さな町だが、この町の桟橋からパイヒアへのフェリーやいろいろな観光船(島巡りやイルカツアー)が発着する。

この桟橋で昨日今日と釣りをしたが、けっこう釣れる。
昨日は地元の兄ちゃんは50cmくらいの大物をゲットした。
私たちに「持っていくか?」と聞いてきたが、さすがにこれだけの大物をさばくのは無理なので断ったところ、あっさりとリリースしてしまった。
あまり魚を食べないのだろうか、日本人の感覚からすると非常にもったいない。

今日の釣りでは息子が意外な獲物をゲットした。
たこである。

さほどきれいな海には見えないのだが、いろいろな生き物が潜んでいるようである。

築110年の家(第59日目)2011/03/05 21:23

今日泊まっているのはキャンプ場ではない。
ウマウェラ(Umawera)という町(?)にある牧場(Farm)だ。いわゆるFファームステイ(Farmstay)である。

旅行の当初からファームステイをしたいと思っていた。
南島で車を走らせていたときにファームステイの看板を見つけて訪ねてみたが人がいなくて駄目だった。
田舎道でたまにファームステイの看板を見かけるが、なかなか飛び込みで宿泊というわけにはいかないようだ。
それで、ニュージーランド観光局のホームページをチェックしてよさそうなところにメールを送っていたが、あいにく空き無しの返事ばかりが返ってきた。
そして、ようやくOKの返事をもらったのが、ここ(Happy valley Farmstay)である。

ファームステイといってもいろいろなスタイルがあるようで、母屋の部屋を貸してくれるところ、コテージを貸してくれるところ、食事無し、朝食付き、二食付き等。
またファームステイを半ば商売にしているようなところ(観光牧場)もあって、牧場ツアーはいくら、家族と夕食を共にするといくらなどと料金表を載せているところもある。

ここはHPも簡単だし、あっさり予約が取れたのも不思議だったので、何かおかしなところ(幽霊屋敷?人食い屋敷?)があるのではないかとかすかな不安を感じていたが、到着すると同時に不安は解消した。
母屋はまだ築浅に見える立派な建物で、迎えてくれた女性(60歳前後?)も快活で感じがよい。そして私たちが泊まるコテージに案内してくれた。

コテージとはいうが、この牧場主(83歳)の祖父が住んでいた築110年の家とのことだ。
110年の歴史を感じさせる部分は随所にあるが、内部はきちんとリフォーム(果たして何度リフォームしたのだろうか?)されている。
冷蔵庫、電子レンジ、ガスオーブン、テレビ(衛星放送!)、DVDプレーヤー、バスタブ等設備も素晴らしく整っている。
部屋は、広いダイニングキッチン、広いリビング、そして寝室が3つである。

アンティークな家に泊まるわけで、アンティーク好きの妻も満足気である。

66年前の話(第60日目)2011/03/06 22:16

牧場のご主人(83歳)、ロイさんが私たちの泊まっているコテージに話をしにきてくれた。
ロイさんは第二次大戦後間もなく平和維持軍として日本に駐留していたそうで、当時の話を中心にいろいろと興味深い話を聞かせてくれた。

ロイさんは17歳から3年間日本に駐留し、呉、岩国、道後などにいたそうで、当時を懐かしんでいた。
具体的に日本でどのような活動をしていたのかは私の英語力の拙さもあり理解できなかったが、桜の花がきれいだったとか、
誰々の歌は今も心に残っているとか、そんな話をいろいろとしてくれた。
概ね日本にはよい印象を持ってくれているようだった。

何年か前に日本に行き、恵比寿ガーデンプレースに泊まったそうで、日本は随分変わっていたと感慨深げだった。

ロイさんはもう高齢のため牧場は隣の家にだいぶ手伝ってもらっているようだが、牧場には親牛190頭、子牛170頭、羊50頭、そして山羊もいるそうだ。
牧場の面積も教えてくれたが、かなり広大であることは確かである。

30分ほどの会話だったが、理解できたのは半分以下だろうか。(上記の内容にも聞き間違いがあるかもしれない。)
ありきたりの言い方だが、ロイさんも戦争に人生を翻弄された人々の一人だった。