さらば、サザンアルプス(第27日目)2011/02/01 21:25

朝のうちは晴れており、キャンプ場からマウントクックの頂上付近を眺めることができた。
しかし、マウントクックが見えたのは朝のうちだけで、これがマウントクックの見納めとなった。

昼過ぎにフォックス氷河を見に行った。
駐車場から30分程度で氷河末端から80mの地点まで行くことができる。
これほど近くで氷河を見たのは初めてだった。

天気は下り坂とのことなので、予定を変更して氷河地帯を離れることにした。
車で2時間半ほど走ってホキティカという町に到着。
サザンアルプスから離れたようで、当たりは平坦で広々している。
1月19日のテカポ湖からサザンアルプスの周りをぐるっと一周してきたことになる。

ホキティカはだいぶ暖かく感じられ、キャンプ場(Shining Stars Beachfront Accomodation)で久々に車上生活に戻ることにした。

夏間近?(第28日目)2011/02/02 19:14

ニュージーランドの1月、2月は夏である。

もちろん緯度の高さゆえ涼しい夏の覚悟はしていた。
しかし、サザンアルプスを取り巻く地域はの涼しさ、いや寒さは想定を超えるものだった。夜は暖房がほしいくらいだったのだ。
それが原因で夫婦間で激しいトラブル(いわゆる夫婦喧嘩)も勃発し、旅の継続が危ぶまれた時期もあった。

もう寒い夏はいやだということで、急いで北上することにした。
南島の北部(エイベル・タスマン国立公園)には夏らしい夏がきっとあるはずだ。

今日はホクティカから3時間半ほど車を走らせ、マーチソンという町にやってきた。
途中ものすごい風雨で運転するのも怖いほどだったが、マーチソンに来る頃には雨はやんでいた。
この町は山間部にあるのでまだだいぶ涼しいかと思っていたが、空気が暖かい。
町の観光案内所はなんと冷房!を入れていた。

キャンプ場(Kiwipark Holiday Park)で夕食の準備をしていると次第に青空が広がってきた。
夕方になっても屋外にいるのが苦ではないくらい暖かく、夜9時まで息子とバドミントンをしていた。
この旅が始まってから一番気持ちのよい夜だった。

夜11時過ぎにトイレに行こうと車を出るとキャンプ場内の街灯が消えており、あたりは真っ暗。
見上げると空には星が降るように輝いていた。
この旅で一番の星空だった。

誰かの宝物(第29日目)2011/02/03 22:16

今日はさらに北上しようと思ったが、とても気持ちのよいキャンプ場なのでもう1泊することにした。

洗濯をしたあと、町(マーチソン)の観光パンフレットに記載されていたお薦めハイキングに行った。
しかし、ほとんど人が来ることもないようで荒れ放題、蜜蜂ばかりが乱舞しているので早々にハイキングは断念。

そこで昨日も行った「Somebody's Treasure(誰かの宝物)」という店に行った。
よく言えば骨董屋なのだが、とにかくジャンルを問わずガラクタの類が無数に置いてある。
食器、調理道具、人形、絵画、ポスター、古本、レコード、(壊れた)電気製品、ビール瓶、空き缶、工具、自転車のサドル、ぬいぐるみ等々何の脈絡もなくいろいろな物が所狭しと陳列されている。
こんな物誰が買うんだと思う物の方が多いくらいだが、全てに値付けして販売している。

私はちょっと見てすぐに飽きてしまったが、妻はこういう店に入ると「ワクワクする」という。何時間でも見ていたいようである。

先日の夫婦間の激しいトラブルもこのあたりに原因があったようだ。
自然を求めて辺鄙な所を好む私と、町のちょっと変わった店を見て回りたい妻。

人それぞれ興味の対象は全然違うのだなぁと再認識。(わかっちゃいるがすぐに忘れてしまう。)

全く違う物に興味を持つ3人の旅は続くのである。

えさやり(第29日目)2011/02/03 23:45

ニュージーランドの田舎を車で走っていると当然ながら牧場が多い。羊、牛、馬等がのんびりと草を食んでいる。

このキャンプ場(Kiwipark Holiday Park)はいろいろな動物を飼育している。
羊、豚、鶏、鹿、アヒル、エミュー等々。

午後7時からえさやりをするというので行ってみた。
キャンプ場のオーナーらしきおっさんが遠くにいる羊に声をかけると羊たちが一目散でやってきた。

息子も羊にえさをやって大喜びだった。

ついに夏に来た(第30日目)2011/02/04 21:09

マーチソンから2時間ほど車を走らせてネルソンに到着。
ネルソンは南島の北端の町(人口数万人)で温暖なことで知られている。
こんなに大きな町に来たのはクイーンズタウン以来である。

天気もよく日差しが強い。ついに夏が来た、いや夏(の町)に来た!という感じである。
キャンプ場(Tahuna Beach Holiday Park)で夕方になっても半袖で車外にいられるのはありがたい。
本当に気持ちのよい気候である。(最高気温25~30度、最低気温15~20度くらいの感じ)

今日で旅も30日目。
出発から約1ヶ月が経過したわけだが、そんなに長い時間が経った実感がない。
旅がもう日常になってしまっていて、淡々と時間が過ぎていく。

旅の後半をどう過ごそうか考えてみたが、のんびりと寛ぎの日々を送ることはもうあきらめた。
15冊持参した本は2冊しか読んでいないが、今後だってそう何冊も読めないだろう。
そう、6歳児を連れた旅にゆとりや落ち着きを求めた私が甘かったのだ。

今年の4月には小学校にあがる息子と四六時中こんなに長く一緒にいられるのもこれが最後。
とことん遊んでやろうじゃありませんか。

ちなみに息子は旅の後半に向けて日課の「なわとび100回だったのを1000回に増やす」そうである。

殺人者の湾(第31日目)2011/02/05 20:15

南島の北端はエイベル・タズマン国立公園になっている。

オーストラリアやニュージーランドを旅していると「タズマン」という地名をよく見かける。
タズマンはオランダの航海者で、1642年に西洋人として初めてニュージーランドを確認(発見)し、ある湾に錨を下ろした。しかし、翌朝マオリ人の襲撃に合い、乗組員4名を殺害され退散した。(結局タズマンはニュージーランドに上陸することはなく、ニュージーランドに初めて西洋人が上陸するのは127年後の1749年のことだった。上陸したのは、クックである。)

それでタズマンはその湾を「殺人者の湾」と名づけたのだが、その後この湾は「ゴールデンベイ」と名を変えて、現在はエイベル・タズマン国立公園でも人気のある地域となっている。

前置きが長くなったが、ネルソンから車で2時間くらいかけてゴールデン・ベイの一角にあるポハラのキャンプ場に来た。(Pohara Top10 Holiday Park)

潮干狩り(第31日目)2011/02/05 22:21

ポハラのビーチは素晴らしく広々とした砂浜になっているが、泳いでいる(というか水と戯れている)人はほとんどいない。

引き潮になると広大な干潟が出現する。(200~300mくらい潮が引いてしまう。)

ガイドブックを読むとゴールデンベイではアサリがざくざくと採れるという。
「よし、今日の夕飯はアサリ汁だ。」とスプーン片手に潮干狩りをすることになった。

しかし、成果は3人合わせてアサリ9個。
泥だらけになり、腰を痛くなった割には散々の結果だった。

息子は泥遊びができて満足げだった。

男のロマン(第31日目)2011/02/05 23:56

男ってものは何歳になっても、夕陽やら星空やら、そんなものが大好きである。
きっと遺伝子に刷り込まれているに違いない。

ここポハラの浜辺の夕陽は壮大なものだった。

太陽が沈んだ後に空や雲がオレンジ色に染まっていくのだが、大空に描かれた絵画のようであった。

ワイタンギデー(第32日目)2011/02/06 19:58

今日、2月6日は日曜日だが、ニュージーランドではワイタンギデー(建国記念日)という祝日である。

1840年のこの日にイギリスとマオリが条約をワイタンギ(北島北部の町)で結んだという。
条約の内容は以下のとおり。
1.ニュージーランドの主権はイギリス国王にある。
2.マオリの土地所有は引き続き認める。
3.マオリはイギリス国民としての権利を認められる。

マオリはニュージーランドの原住民(先住民)で、ニュージーランドの総人口の15%程度を占めるという。
一方、オーストラリアの原住民(先住民)のアボリジニはオーストラリアの総人口の2%に過ぎない。

同じ原住民なのにこの差は何なのだろうかと不思議になる。
ニュージーランドを旅していて感じることだが、地名にマオリっぽいものが非常に多い。
オークランド、クライストチャーチ、クイーンズタウン、ネルソンといった大きな町は西洋名が多いのだろうが、小さい町は
圧倒的にマオリ名が多いような気がする。
今滞在しているのはPoharaという町だし、近くの大きな町はTakaka。
アボリジニに比べマオリの存在感が大きいような気がするのだ。

では何故か?
マオリの方が優れた部族で交渉上手だった?勇敢な部族だった?
素人が考えてもこのくらいのことしか思い浮かばない。

正解は
http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa3872345.html
理由は3つあるが、私の想像(交渉上手、勇敢)は3番目の理由にちょっとだけ重なっていた。

(今日は旅で初めて釣りをした。)

バッテリー交換(第33日目)2011/02/07 20:02

キャンピングカーを借りた当初は、テントの柱が折れ、電気が切れ、水が出ないといった具合でトラブル続きだった。

その都度、レンタカー会社に片言の英語で電話をした。
あまりにシンプルな英語なので、6歳の息子も覚えてしまったくらいだ。
(ノーウォーター、ヘルプ、プリーズ。。。)

その後はまあまあ順調だった。
しかし、数日前からバッテリーの調子がおかしい。
エンジンのかかりが非常に悪いのである。

私は車の知識があまりなく、また性格的に何かが起きてから対応しようとするタイプなのでさほど心配していなかったが、妻はかなり心配していたようである。
ここ2、3日口数が少なかったのも、それが原因だったらしい。

そんなに心配するくらいなら早く専門家にみてもらおうと、近くの町(Takaka)の修理工場(Orange Maintenance)に車を持って行ったところ、車をみてくれた担当者(Danさん)がバッテリー交換したほうがよいと言う。

修理工場からレンタカー会社に電話をしてもらい、万事解決。
バッテリーは新品に交換され、エンジンのかかりも妻の機嫌もすっきり回復した。