ギャンブラーの素質2009/11/09 16:46

親子二人旅の帰り道、町田でロマンスカーからJR南武線線に乗り換えるときのこと。

小田急町田駅とJR町田駅は歩行者デッキで繋がっているのだが、歩行者デッキが2つあってどちらを通ってもいける。
私はいつも通るデッキとは別のデッキを通ろうとしたところ、息子は何故かいつもの方がいいという。
たまには別の方でもいいじゃないかと言う私に息子は頑として譲らない。どっちが早く着くか別々のデッキで行ってみよう、と言っても聞く耳持たずだ。
仕方なしにいつものデッキでJRの駅に向かうことにしたのだが、私がふと「ああ、お前が競争で勝てば50円あげたのになぁ。」とつぶやいたところ、息子の目の色が変わった。

「えっ、50円ももらえるの?ぼく、きょうそうしたい。」である。
私「おい、ナオミチ、勝ったらもらえるけれども、負けたら取られちゃうんだぞ。それでもいいのか?」
息子「いいよ。だって、ぼくは65円もっているんだから。」
そう、息子は最近お手伝いをすると、5円とか10円とかもらって、それを貯金箱に貯めているのである。
私「50円も取られたらまたためるのはたいへんだぞ。」
息子「いいよ。またおてつだいしてためるから。」

息子にしてみると、いっぺんに50円をもらえるなんて、こんなおいしい話はないと思ったようなのだ。
そうこうしているうちにJRの駅に着いてしまったので、その話はうやむやになった。

ずいぶん長い話になってきたが、話はまだ続く。
その日の夕方、試験を終えた妻と自由が丘で待ち合わせて、親子3人で簡単な打ち上げの食事会をしたその帰り道。
東急線はいろいろな色の電車が走っており、よく息子とその色の当てっこをするのだが、その日も色を当てっこをすることになった。
すると息子は当てたらいくらもらえるのかと聞いてきた。よほど簡単にお金がもらえるのが魅力らしい。
私も多少酔っていたので、よし10円賭けようということになった。少額ではあるが、立派なギャンブルである。
自由が丘からの急行電車はオレンジ色で私の勝ち。(実は急行電車はオレンジ色と決まっているのだ。(笑))
しかし、息子も負けじと二子玉川からの乗り換え電車の色を当てたので、これでチャラである。

息子は勝ったのに味をしめ満面の笑みであるが、ここで私の教育的指導魂に火が付いた。まだ5歳だというのにギャンブルに走られても困る。世の中はそんなに甘くはないことを親として教えてやらなければいけない。
そこで、私は息子と1回10円を賭けて指相撲することにした。普段はわざと負けてやるのだが、大人が5歳児に負けるわけもなく、あっという間に息子は5連敗し、50円の負債を負った。

息子は賭けの怖さを知ったのか(単に負けたのが悔しいのか)、電車の中で人目も憚らず大泣きである。

もう賭け事をしないことを約束させたうえで50円の負債を免除した。息子ももう賭けはしないと言っているが、ギャンブラーの素質ありと見た。

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