もまれて育つ2006/07/17 21:04

妻はよく息子を駅前公園で遊ばせているが、その公園で知合いになったインド人の家に家族揃って遊びに行くことになった。

その家の子供はシヴ君といい、息子より2ヶ月年上である。(もうすぐ2歳) これまでも保育園の行事(クリスマス会、遠足等)で息子が他の子供たちと接するのを目にする機会は何度かあったが、今回はマンツーマンで数時間を一緒に過ごすので、息子の行動に少々興味があった。聞けばシヴ君はまだ日本に来て2ヶ月余りで、保育園には入っていないという。

事前の私の予想は「保育園でもまれて育った我が息子、そして体重14kg。当然、主導権を握るのではあるまいか。」

ところが予想は大外れ。息子は泣いてばかりであった。子供が2人揃えば大体おもちゃの取り合いになるわけだが、大体息子が取られてしまい泣きじゃくるというパターンであった。シヴ君の家だったので、息子としては不利な立場であったが、それにしても泣きすぎる。観察しているとうそ泣きもけっこう混ざっている。泣けば親が助けてくれると幼心に考えているようにも見える。

シヴ君はというと、別に息子をいじめているわけではなく、大泣きする息子を不思議そうに見つめている。初対面の私の膝の上にちゃっかりと腰を下ろしたりもする。息子が回っている扇風機に手を伸ばそうとしたら、なんとシヴ君がそれを制止した。これにはびっくり。うちの息子は何度言っても扇風機をいじってしまい、つい最近は扇風機にスプーンを入れて一台おしゃかにしたばかりだ。

うーん、シヴ君はたいしたもんだ、大人だなぁ、と妙に感心してしまう。 こんなにしっかりしているのが、ちょっと不思議。 シヴ君のご両親と話しているうちにその謎は解けた。インドはまだまだ昔ながらの社会で大家族制だという。シヴ君の父親は4人兄弟だが、インドでは4人兄弟が結婚をしても親と一緒に暮らしているというのだ。まさに大家族で、それが普通だという。とにかくインドでは親族のつながりがものすごく強いようで、シヴ君のご両親が数年前に結婚したときは親戚が数百人集まって3日間にわたって祝宴が続いたという。そのビデオを見せてもらったが、すごい熱気である。

シヴ君もその大家族制の中でもまれ育っているというわけなのだ。

たしかインドの人口は10億人。少子高齢化の日本がかなうわけがない。 直遥よ、あせるな、少しずつ強くなれ。w