誘拐2008/03/21 21:15

物騒なタイトルだが、実は私は誘拐されたことがある。まだ3、4歳の頃のことだが、印象が強かったのか、まだかすかに当時の記憶らしきものがある。

こんなことを思い出したのは、朝のワイドショーで大昔の誘拐事件「よしのぶちゃん事件」を取り上げていたからだ。
普段はワイドショーなど見れないが今日は祝日なので、何気なく見ていたのだ。事件が起こったのは今から45年前、昭和38年3月31日。
犯人は身代金30万円を要求し、捜査陣の失態もあり、身代金を手にすることに成功。気の毒なことによしのぶちゃんは死体で発見された。
その後犯人は逮捕されたわけだが、この事件が身代金目的の誘拐事件のはしりになったようだ。

そんなよしのぶちゃん事件の半年くらい前、よしのぶちゃん事件が起きたのと同じ台東区で私は誘拐されていた。
誘拐されたのは私(おそらく3歳半くらい)と姉(私とは1歳半違い)。何かを買ってあげるという見知らぬおじさんの言葉を信じて付いていこうとする私に、姉は心配して一緒に付いていったのだという。
犯人は足でまといと感じたのか私を間もなく上野の森で解放。私は一人取り残されて泣いていたが、親切に声をかけてくれた人に住所を告げたところ、その人は私を家まで送り届けてくれたのだ。
私が帰ってきたことで、連れていったのは全く見知らぬ人であることが判明し、いよいよ警察も本腰で捜索にかかったらしい。
なかなか手がかりがつかめぬうちに夕方になり、関係者のあせりがつのる中、犯人に解放された姉がひょっこりと歩いて帰ってきた。
犯人がどういうつもりで私たちを連れまわしたのかは不明のままだ。単に子供好きだったのか、あるいは。。。

以上が簡単な事件の内容だが、両親はさぞかし心配したことだろう。2人がいなくなってから近くの警察署に駆け込んだが、最初のうちはあまり真剣に取り合ってくれなかったそうだ。
両親に二度と知らない人に付いていってはいけないと叱られたのは言うまでもない。
でも自分としては捜査のためにパトカーに乗れたりしたので、けっこう楽しい想い出として脳裏に残っていたりするのだ。

あれから40年以上の歳月が経ち、私の息子は誘拐された当時の私とだいたい同じ年齢になった。あの頃の私はこんな感じだったのか、と息子をしげしげと見つめてしまう。タイムスリップしたような不思議な感覚である。

当時の私はきちんと住所と電話番号を教え込まれていたようだ。早速息子に住所を覚えさせたが、電話番号はまだ無理のようである。
当時の私の方がおりこうさんだったのかもしれない。w

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